oldmanvitoriablog’s diary

Money and Energy

どうする老後のお金

定年退職して年金生活になり、一年くらい経過すると、預貯金の減り具合がわかってきて、これからどうしたらよいかと、若干の不安がでてきます。
今後も「年金+預貯金の取り崩し」で賄えるのかどうか? 生活費はだいたいわかってきますので、毎月年金で足りているのかどうか、足りていればOKですが、足りないときは65歳から100歳まで生きるとして、不足分が月2万円、5万円の場合、65歳時点で
               月2万円不足    月5万円不足

65歳時点の預貯金額      840万円      2,100万円
の金額が必要になります。もし、運用しながら不足分を取り崩す場合は、運用利回りを3%とすると
               月2万円不足    月5万円不足
65歳時点の預貯金額      516万円      1290万円
の金額で済みますので、運用しながら取り崩すようにすると、手元資金に余裕ができることになります。それでも預貯金以外の資産運用は元本保証ではないので、本当に余裕ができるかどうかは、まだ、不安、ということもあると思います。

万一、不足した場合、持っている自宅不動産を使って、資金を得る以下の方法があるようです。最近、テレビでも時々みかけるもので、リバースモーゲージとリースバックというものです。

         リバースモーゲージ     リースバック
仕組み      不動産を担保に融資を受ける 不動産を売却し
                       賃貸する。
自宅に      継続して住める       継続して住める
契約相手     金融機関、地方自治体    不動産会社
不動産の評価額  契約相手が評価       契約相手が評価
得られる金額   不動産評価額の50-60%             不動産評価額の
                                                                                    約70%
資金の用途    生活資金、リフォーム等限定 自由
融資の受け取り  毎月一定額など       一括
月々の支払    融資の利息のみ       家賃
固定資産税支払い あり            無し
所有権移転    しない           する
担保設定     必要            不要
適用不動産    一戸建てが多い       一戸建て、
                                                                             マンションなど
家族の同居    配偶者のみ         配偶者以外も可能
契約終了後    不動産を売却して元金    賃貸契約延長や
         一括返済          買戻し可能性あり                            
メリット     毎月の支払いが利息のみ   資金用途に制限が
         所有権が移らない      無い
                       適用不動産の種類
                       が多い
         家を売却しないで済む    年齢制限が無い
デメリット    同居は配偶者のみ可     家賃支払い発生   
         利用不動産に制限あり
         資金の用途に制限あり
         年齢制限あり(50-80歳等)
         融資の金利は変動金利のため
         金利上昇リスクあり
         不動産の価値下落リスクあり

リバースモーゲージは、住宅ローンの借り換えにようなもので、「老後の資金を確保したいが、家を手放したくない人」向けの資金調達法ですが、資金は不動産評価額の50-60%程度(不動産の価値値下がりリスク等の金融機関側のリスクを織り込んでいるため)で少ないことに注意が必要です。また、亡くなってから、元本を家の売却で一括返済するため、相続人が不足分を追加で支払うことを要求されないように「ノンリコース」の契約にするよう注意が必要です。

リースバックは、家を売却して、そのまま賃貸で住むもので、売却金が一括で手に入り、使い道も制限なく、同居家族にも制限がありません。家賃支払いが発生しますので、資金は家賃を考えながら使う必要があります。家を買ったが、また、賃貸に戻るような感じです。

いずれも、自宅に住み続けられるところが、高齢者にとっては、良いことに思えますが、調達資金の金額が評価額の70%以下になるので、この点は、よくその後の生活期間と生活費、必要経費の目論見を考えて、決断すべきと思います。

どちらも家を手放すことになるので、相続人がいる場合は、相談して、同意を得ておくことも肝要と思います。