oldmanvitoriablog’s diary

Money and Energy

バイオマス発電は本当に脱炭素なのか?

日本の法律上は再生可能エネルギーについて以下のように定義されている:

再生可能エネルギーの定義
エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)においては、「再生可能エネルギー源」について、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されており、政令において、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められています。

再生可能エネルギーの特徴は

1.枯渇しない。

2.どこでも存在する。

3.CO2を排出しない。

ですが、上記の政令に定めるエネルギーの内、この3つを満たさないものがあり、それは、「バイオマス」です。これについては、「カーボンニュートラル」という特別な解釈がなされています。

バイオマス発電では、バイオ燃料や木材ペレットなどを燃焼させて、エネルギーを得る。当然、燃焼時のCO2排出が伴う。ところが、バイオマス発電では、バイオマス特有の一連の炭素循環があるため、炭素中立(カーボンニュートラル)である、という考え方をする。例えば、木材はその木材の成長過程でCO2が(光合成によって)固定化されていると考える。燃焼時に出るCO2は固定化された炭素が元に戻ったと考えることでCO2はプラスマイナスゼロになる。中立になる。と考える。」

すなわち、木材など過去に吸収したCO2を排出しているのでCO2を増加させているわけではない、とのことです。時間軸は異なりますが、石炭だって、CO2を吸収した植物が何万年かを掛けて、炭素を固定したもので、それを燃焼してCO2を出してもプラスマイナスゼロですから、同じではないか?とも考えられます。それに対しては、時間軸が長すぎるので、バイオマスとは異なる、との解釈だそうです。よくわかりません?

バイオマスの燃焼で出るCO2は、世界のCO2増加に影響しない、との主張は、温暖化の影響で森林火災が増加して、それによるCO2排出量が過去最大となった、という報道(ロイター2021/12/7)という現実と矛盾していないでしょうか?

「2050年頃までに、CO2排出量を実質ゼロにする」という世界の目標に対して、CO2を過去に吸収したからと言って、CO2を排出するのは、CO2が増加しつつある現在では、同量の森林のCO2吸収能力の同時増加があって、初めて実質ゼロと言えるはずで、現状のように、毎年森林火災が世界のあちこちで発生して、CO2吸収力のある森林が失われている状況では、バイオマス発電でCO2を排出し続けることが本当に脱炭素に貢献するのか、疑問に思えてきます。

何か変な気がします。