oldmanvitoriablog’s diary

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寝台特急「あさかぜ」

お題「夜行列車の思い出」

夜行列車、寝台特急「あさかぜ」の苦い苦い思い出があり、夜行列車の思い出は人生でこれ一つだけです。
入社2年目だったと記憶しますが、筆者が設計し納入した機械が試運転で具合悪く完成検査で不合格になりました。検査に立ち会っていた筆者はその後、数か月毎週一回程度寝台特急「あさかぜ」に乗り、関西の客先最寄り駅で朝を迎え、駅で朝食をとり、客先の工場で、原因究明の実験を数回、設計改善のための実験を数回行い、設計変更をして、客先の承認を得るために説明と承認取得のために数回、設計変更したものの納入と試運転・完成検査のためにも通いました。
昔であったために、今のようなメールでデータを送ったり、インターネット会議(ZOOMのような)で協議するということができない時代ですから、都度、客先のもとに通って対処するということが必要で、寝台特急「あさかぜ」には何度も乗ることになりました。当時は、客先も比較的寛容で「早くやれ、早くやれ」とは言わず、「自分のところの機械が実験台かー。若い人は勉強だからしっかりやってくれ」ということで、原因究明の実験や、設計改善のための実験にも協力してくださり、若い筆者にとっては良い客先に巡り合ってよかったと思いました。数か月後、客先から設計変更の承認を受けた内容で不具合個所の部品交換を実施し、試運転・完成検査に合格しましたが、その時も「よくやってくれた」と声をかけてくださり、ありがたかったことを覚えています。
始めは乗るのが億劫だった寝台特急「あさかぜ」でしたが、だんだんと馴染んできて、完成検査が合格した時は、「もう乗ることが無くなるんだな」と思うと何となく寂しいような、ホットするような複雑な気持ちだったことを覚えています。
遠い昔の苦い、しかし懐かしい思い出です。