国土交通省によると、「令和6年以降に新築の建築確認を受けた場合、住宅ローン減税(控除)の対象外になる住宅」が生じることになるそうです。これから住宅を購入または、建築される方は要注意です。
<住宅ローン減税概要>(控除額は毎年の住宅ローン残高の0.7%)
1.新築住宅・買取再販注1) 借入限度額(控除期間13年)
令和4・5年入居 令和6・7年入居
①長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円 4,500万円
②ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
③省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
④その他の住宅 注2) 3,000万円 0円
2.既存住宅 借入限度額(控除期間10年)
1)上記の①から③ 3,000万円 3,000万円
2)上記の④ 2,000万円 2,000万円
注1)買取再販とは、宅地建物取引業者により、一定の増改築等が行われた一定の居住用家屋。
注2)省エネ基準を満たさない住宅。令和6年以降に新築の建築確認を受けた場合、住宅ローン減税(控除)の対象外(令和5年末までに新築の建築確認を受けた住宅に令和6・7年に入居する場合は、借入限度額2,000万円・控除期間10年間)
上記の通り、その他の住宅(省エネ基準を満たさない住宅)は、令和6年以降に新築の建築確認を受けた場合、住宅ローン減税(控除)の対象外になってしまうため、住宅ローン控除が受けられないことになります。
省エネ基準を満たすとは、以下の2つの基準を満たすこと:
1.一次エネルギー消費性能BEI(Building Energy Index)が1.0以下であること
BEI =(設計一次エネルギー消費量)/(基準一次エネルギー消費量)で求めるもので基準となる住宅の一次エネルギー消費量に対して、建築する住宅の設計上の一次消費量(空調、換気、照明、給湯、昇降機、その他のエネルギー消費量。太陽光を設置してエネルギーを作る場合はそのエネルギーはマイナス評価される)が大きいか小さいかを判断する。(大きいと1.0を超えるためだめ)
2.外皮基準の表面積あたりの熱の損失量(外皮平均熱貫流率等)が基準値以下であること(基準値は地域ごとに定めている)
①外皮平均熱貫流率Ua(室内と外気の熱の出入りのしやすさの指標、値が小さいほど熱が出入りしにくく、断熱性能が高いことを示す。)
Ua = (単位温度差当たりの外皮総熱損失量)/(外皮総面積)(W/m2・K)
(基準値は、地域により、0.46 ~ 0.87,地域区分は国交省HP参照)
②冷房期の平均日射熱取得率ηac(太陽日射の室内への入りやすさの指標, 値が小さいほど日射が入りにくく、遮蔽性能が高い)
ηa = (単位日射強度当たりの総日射熱取得量)/(外皮総面積)x 100
(基準値は地域によって、3.0 ~ 6.7,地域区分は国交省HP参照)
従い、一次エネルギーの消費が多く、断熱性能や遮蔽性の低い住宅は、来年以降建築確認する物件は、住宅ローン控除を受けられなくなるということです。住宅ローン控除を希望する場合は、来年以降住宅を建築又は購入する際は、省エネ基準を満たす住宅か否かを確認する必要があります。