oldmanvitoriablog’s diary

Money and Energy

エネルギーの話 その9 福島原発の廃炉について

福島原発の事故処理については、汚染水の処理水の海洋放出が始まり、今のところ問題なく進んでいるように見えます。
しかし、筆者の個人的な見方では問題はこれからのような気がします:
1.処理水は現状でも、約1000基のタンクに約134万トンあり、今年度は約30基分に当たる約3万1200トンを4回に分けて放出する計画だそうである。一年に30基分ということは、これから約30年かかるということであり、今でもこの処理水は増え続けているので、処理水が増えるより多くの処理水を海洋放出しないとタンクは減らないので、いつになったら海洋放出が終わるのかは、だれにもわからない。
2.処理水を放出しても、では残ったタンク事態の処理はどうするのか?どこにもどうするかの対策は書かれていない。多量の廃棄物でしかも汚染されている可能性のあるものだけに安易に外部に持ち出すことはできないと思うので、敷地内で減量して保管するなどの方法しかないと思われるが、これも広い場所が必要と思われるので、せっかく処理水を無くしても残ったタンクの金属が場所を取ってしまうことにならないようにしなければならない。
3.汚染水から放射性物質をALPSという装置で浄化して処理水となるが、浄化した後には当然取り除いた汚泥や廃棄物が出るはずで、この処理はどうするのか?この点もどこにも書いてないのでわからないが、問題となるものと思われる。
4.現在も溶融し、原子炉建屋の底に落ちたとみられる燃料棒は放射能の濃度が高く、危険であるので、取り出しは極めて難しいらしい。この燃料デブリをどうするかもいまだに採用できる対策は明らかになっていない。また、仮に燃料デブリを取り出したとして、その処理はどうするのか?
5.当然ながら、被害を受けた方々の賠償金に加え、廃炉にかかる費用も膨大となるので、今後も国の借金(国債など)で賄うことになると想像され、国民の負担が予想される。

このような状況を見ると、まったく個人的な考えですが、廃炉としては、燃料デブリを取り出すことはあきらめて、この原子炉を建屋ごと、地下から地上に見える部分を含めて、放射能の漏れを防ぐようにコンクリートの遮蔽壁で覆うことが対策として考えられても良いのではないかと思われます。すなわち、「全体を棺桶の中に閉じ込める」ことにしたらどうでしょうか?という意味です。
チェルノブイリ原発の事故でも、鋼鉄製の覆いを作って閉じ込めることしかできなかったことを考えると、同じような手法をとるしかないような気がします。