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相続の基礎9 相続税を少なくする方法

相続財産の確定や相続税の計算内容から、相続税を節約する(少なくする)方法について考えてみます。
1.プラス側相続財産を減らす
  プラス側の相続財産が少なくなれば、当然、課税される相続財産が少なくなるので、相続税は節約できます。
被相続人は、遺族のためと思っても無理して財産を残さない。余裕のある範囲で、財産を消費する。・・・旅行に行ったり、買い物をしたり、習い事をしたりと楽しむこと。
②暦年贈与(年間受贈者一人当たり110万円まで非課税)を使って、相続人に毎年110万円以下の財産を贈与して、財産を早めに相続人に移し、相続財産を減らしておく。
②ゴルフ会員権や一般動産は使わなくなったら、売ってその代金を消費する。(自動車など、老齢になって運転免許を返納したら売ってその代金は消費にまわす)
2.マイナスの財産を増やす
  マイナス側の財産を増やすことは、相続財産を減らすことになるので、相続税を節約できます。
①生命保険は非課税枠いっぱいまで契約しておく。
 500万円 x 法定相続人数までの保険金以上となるような生命保険契約をしておく。
3.基礎控除を増やす(養子縁組)
  基礎控除は、3,000万円 +600万円 x 法定相続人数で計算され、相続財産から控除されます。従い、相続人数を増やせれば、その分基礎控除額が上がり、課税される相続財産額が減り、相続税が減ります。(ただし、一人当たりの相続財産は減る可能性がありますので、他の相続人と事前に話をしておく必要があります。)
相続人数を増やす方法は被相続人が養子縁組をしておくことです。例えば、子供の子供(孫)を養子にして、法定相続人の数を増やすことができます。相続人の数に追加できる養子の数には制限があり、
①相続人に実子(実の子)がいる場合は、養子は1人まで
②相続人に実施(実の子)がいる場合は、養子は2人まで
相続放棄した相続人も基礎控除の計算に使用する法定相続人の数には含めることは以前記載した通りです。
この養子が未成年者の場合、相続税額から未成年者控除という規定で、
未成年者控除=10万円 x (20歳ー相続時の年齢)(差の1年未満は切り上げ)
の金額だけその人の相続税額が少なくなります。
また、その養子が障害者の場合、相続税額から障害者控除という規定で、
障害者控除=10万円 x (85歳ー相続時の年齢)(差の1年未満は切り上げ)
の金額だけその人の相続税額が少なくなります。
4.相続人の中に配偶者がいる場合は、配偶者の相続財産を多くする。
  相続税の計算でも述べましたが、配偶者は法定相続分又は、16,000万円のいづれか大きい金額まで非課税ですから、その範囲ぎりぎりまで配偶者の相続財産を大きくすると相続税は少なくなります。もし、上記の金額を若干超えるような場合は、被相続人は生前に贈与税配偶者控除を使って、住んでいる居住用不動産の2,110万円分を配偶者に贈与しておく、ということもできます。この方法では、前にも記載したように、二次相続の時の相続税も想定して検討する必要があります。
5.被相続人が生前に不動産を買っておく
  不動産の相続税評価額は、土地は路線価または倍率法で、建物は固定資産税評価額で算定されます。土地は一物4価と言われるように、
①実勢価格(実際に売買されるときの価格・・公示価格より1割以上高い)
②公示価格(国交省が毎年3月に公示する標準地の1m2当たりの価格)
③路線価(国税庁が毎年7月に公表する各地の1m2当たりの価格・・公示価格の80%程度)
④固定資産税評価額(市町村が毎年1月1日現在の土地・家屋所有者に対して課税する元となる評価額で各自治体で決定する・・公示価格の70%程度)
の4つの価格があり、相続税で土地を評価する路線価は公示価格の80%程度で建物は固定資産税評価額で評価されるので、実勢価格より大幅に安く評価されることから、被相続人がその財産で不動産を実勢価格で購入しておくと、相続時は、購入した価格よりも大幅に安い金額で評価されますから、相続財産が少なく計算されます。
注)高層マンションについては、高騰しており、相続税評価が安すぎるとの懸念から2024年よりその相続税評価額が上がるように計算されるようになりますので、高層で築浅のマンションは相続時の評価額があまり下がらないので注意が必要です。

以上のような方法の内、出来る対策をしておくと良いと思います。